加古川グリーンシティ

テキストで直接読める「防災だより」

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2023年4月号
 2023年4月号の音声読み上げができます。
 普段の生活の中から生活防災の学びが見つかります。
今月は最終回を迎えたNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』から防災の学びをご紹介します。
物語は、長崎県五島列島と大阪府東大阪を舞台に1990年代から2026年までを描く作品です。
主人公(舞)が、空とパイロットにあこがれ、ものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島で様々な人との出会いから絆を育み、町工場同士をつなげる会社を起業する舞の挫折と再生を描いた作品です。
この作品が素晴らしいのは当たり前のことですが、この作品を創り上げた作家さん達が生み出した『言葉』から我々が目指す生活防災力を向上させてくれるヒントが沢山あるのでご紹介させて頂きます。
 舞の祖母(ばんば)が身体のことで弱音を吐露した時に、舞が過去にばんばが教えてくれた言葉を伝え返します『できなければ、できることを探せば良い』という言葉です。
防災活動でも同じです。自分のできることを自分のできる範囲でやることです。
自分が出来ないことに手を付けチャレンジすることも大切ですが、自分の出来ることを伸ばす方が、より近道ではないかと考えます。
自分が目指すゴールへの道の伏線には、自分ができないなと考える色々なことがあるはずです。
でも目標や夢を目指し続ければ、必ず伏線は回収できるのです。
それはあなただけのチカラではなく、他者の協力で叶うことです。
継続力を必要とする防災の考え方では「今の時代は 次の世代から預かっている意識を持つこと」が大切です。
その預かっている『今』を、今より良くして次の世代へ受け渡すことであり、それが『防災の真骨頂』なのです。
その人にしか出来ないこと、自分にしか出来ないことは山ほどあります。
それを見つけることも“楽しく防災活動”のひとつなのです。
 ドラマの中では、人それぞれの考え方がある。
他者から見れば「そんなこと」と思われることが、その人にとって『大きな理由』となるものもあるとも語られるシーンがあります。
何かをやることも大切ですが、自分の大切な人が『ここにいてくれたことが嬉しい』と想えることも、歩む大きな理由であるとの学びもありました。
ドラマでは優しい言葉ばかりが学びではありません。
舞の兄・悠人の言葉にも強い力を感じました。
「開発の投資、まだ世の中に無いモノにお金を出してもらわなあかん。大事なのはトップに立つ人間のカリスマ性やモノが無くても、この人やったらできると思わせる説得力があらなあかん。ホンマにやりとげる素質と覚悟があるかを見られる」と、これは防災も同じです。
口先だけの綺麗事では、防災活動や地域活動を進めることはできません。
更には、私利私欲を追求しても、多くの人はそっぽを向いてしまうのが現実です。
私たちは、様々な災害からの教訓を真摯に捉え、何をどうすべきかを常に考えています。
 「まち」というコミュニティは、人がワイワイと集まれる人ばかりではありません。どんな人でも「しんどい」そんな時があります。
そんな悩める貴司(舞の夫)に語る詩人・八木のオッチャンの言葉『生きていくというのは大勢で船に乗って旅するようなものや。皆が船の上でパーティーしてる時、息苦しなる。それで冷たい海に飛び込んで、底へ底へ潜り、底に咲いている花、つかみ取って船の上に戻る。そしたらしばらくは息ができる。この花が詩や』
人それぞれ生き方が違う。
必要とするものも違う。
大切なモノも違う。
表現方法も違う。
自分のエネルギーを充填できる場所や方法も違うのです。
でも、守りたいものは不変だと考える生きる定義を見出す言葉でした。
しかしながら 『意識改革』という大きなカルチャーショックによって不変が変化する時があります。
自分の中で『革命』が起こった時で、大きな気付きというものです。
オッチャンは次のようにも語ります『しんどなったらな、会いに行くねん。忘れん為に探しに行くんや。その人がおったことのある場所にな』。
物事の原点を示してくれた言葉です。
『誰の為に、何の為に』。
どこかの知らない誰かの為ではなく、この人の為にやるんだ!と防災活動も同じです。
綺麗事の防災が蔓延し継続力を失わせている今こそ、防災活動の原点回帰を考えてみましょう。
「自分は何の為に誰の為に何を守るのか」これは巡り巡って自分の為に防災活動をやっているのだと心に留めておきましょう。
『防災とは自分の大切な人を守るため』ですが、その根源は『自分の大切な人を失いたくない』という自分事です。
また『誰の声が聞こえる?話したいこと見つかったら、言葉にしてみ』とも、詩を書けなくなった貴司に語ります。
自分が自分の志で目的や夢を探し、気付くことの大切さを強く語っています。
 ドラマは、舞ちゃんの言葉で終わります。
『まもなくひとつ目の目的地に到着します』。
私たちの目的地も、きっと沢山あるはずです。皆様!これからも更なる目的地を楽しく一緒に探しましょう!

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