(*本文1)  兵庫県神戸市から車で40分ほど離れた加古川市にある集合マンション「加古川グリーンシティ」には、約2000人が暮らしています。阪神・淡路大震災で勤務先や通学先が被災したことで、住民の間に防災に対する意識が高まりました。そこで1998年、加古川グリーンシティ防災会を結成しました。 (*見出し1) キーワードは「楽しい防災」 (*本文2) 「防災活動は、みんなが参加し、継続することが大切です。そこで私たちは、『楽しい防災』をキーワードに、防災活動を行っています」と話すのは、会長の大西賞典さん。例えば、マンションの夏祭りなどのイベントで、大阪名物「イカ焼き」(イカを入れたパンケーキのような食べ物)の模擬店を出店しているのもその一つです。 「イカ焼きは1分半で2人分を焼くことができ、すなわち、短時間で多くの人へ提供できるため、災害時の炊き出しに最適なのです。機械の使い方や調理の手順を覚えるための訓練を兼ねて、イカ焼きの模擬店を出しています。」  昨年4月からは、堅い話と思われがちな防災の話に耳を傾けてもらうため地元のFM局の協力を得て、トーク番組を毎週1回放送しています。番組を通して、住民が日頃から気楽に防災について考え、知識を身につけてもらいたい、と大西さん。 「楽しい雰囲気の中で防災について話せるよう私がマスター役となって、地域の人、マスコミ、市議会議員などの毎回様々なゲストを迎え、お酒を交えた番組にしています。番組でお酒を飲むのは、兵庫県や新潟県など被災地の酒蔵を番組内で紹介することにより、被災地の復興を応援しているのです」